ビジネス交流会に食事は必要？ランチ会・カフェ会の落とし穴
ビジネス目的で交流会に参加する人向けに、食事付きの「ランチ会」や「カフェ会」で気をつけるべきポイントをまとめました。「楽しかったけど、結局何も進まなかった」とならないために、目的に応じた交流会の選び方を解説します。
ビジネス交流会で「食事付き」かどうかって重要？
ビジネス交流会では「ランチ会」や「カフェ会」といった軽食付きの形式も人気ですが、一方で「思ったより成果が出なかった」という声も少なくありません。ビジネス目的で成果を求めるなら、むしろ「食事なし」の方が効率的なことも多いです。
「飲食なし」と「飲食あり」の交流会 ‐ 違いをわかりやすく解説
| 「飲食なし」のビジネス交流会 | 「飲食あり」のビジネス交流会 |
|---|---|
| ・交流だけに100％集中できる ・自由に話せる時間が多い ・しっかりビジネスの話ができる |
・和やかなムードになりやすい ・食事中は会話が途切れやすい ・軽めの話題で終わってしまいがち |
「飲食なし」のビジネス交流会は、90分程度で完結することが多く、忙しいビジネスパーソンにもピッタリです。食事という「ノイズ」がない分、参加者全員がビジネス目的に集中しており、質の高いマッチングが期待できます。
「飲食あり」の交流会は、2時間以上かかることも多い上、もぐもぐタイムも考えれば実質的な交流時間は半分程度です。着席形式だと、部屋に30人いても隣の2～3人としか話せないこともありえます。親睦目的なら食べ物が出るイベントも良いですが、仕事に直接つなげたいなら効率的とは言えません。
食事付き交流会の主なデメリット・落とし穴とは？
食事付き交流会を検討する際に、気をつけておきたいポイントを紹介します。事前に知っておくことで、自分に適した交流会選びに役立ちます。とくにビジネス目的でネットワーキングイベントに参加する方は、以下のようなデメリットを踏まえておきましょう。
- 食事に意識が向き、ビジネス目的がぼやける
- カフェや飲食店の環境は集中した会話に不向き
- 参加している姿を見られるリスクがある
- 名刺交換や資料共有がしにくい
- テーブルマナーで印象を損ねるリスクがある
「飲食あり」の異業種交流会やミートアップイベントは、食事代のぶん参加費も高くなりがちですし、ここで紹介している様々なデメリットもあります。参加については慎重に検討しましょう。
① 食事に意識が向き、ビジネス目的がぼやける
食事をしながらの会話では、どうしても集中力が分散しがちです。料理や店の話、天気の話といった当たり障りのない話題で時間が過ぎてしまい、本来の目的である「ビジネスの具体的な話」には至らないまま終了することも少なくありません。
また、食事のペースは人によって異なるため、誰かが食べている間は話を振りにくく、会話が途切れがちになります。せっかく参加費を払って時間を割いたのに、「楽しかったけど何も進まなかった」という結果になることも多いです。
② カフェや飲食店の環境は集中した会話に不向き
カフェやレストランは、リラックスして楽しく過ごすには良い環境ですが、ビジネスの深い話をするにはそぐわないケースも多いです。貸し切りの会場ではなく、周囲に一般の利用者もいる環境では、なかなか話しにくい話題もあるでしょう。
お店によって環境は大きく異なりますが、BGMや周囲の話し声、食器の音、店員の接客など、気が散りやすい刺激が多いです。料理の提供や片付けのタイミングで会話が中断され、話の流れが途切れてしまうこともあります。
③ 参加している姿を見られるリスクがある
一般のカフェやレストランで開催される交流会では、参加しているところを他の利用客に見られます。取引先や同業他社の人、上司や知人と偶然会う可能性もあるでしょう。その際、参加目的によっては気まずい思いをすることもあります。
転職活動中の会社員や、何らかの事情で社外活動を目立たせたくない場合は、オープンな飲食店での交流会は避けたほうが無難です。そうした懸念がある場合は、クローズドな会場でのビジネス交流会の方が適しています。
④ 名刺交換や資料共有がしにくい
食事付き交流会では、会話が盛り上がっても資料やサンプルを見せるタイミングを逃してしまうことがあります。「これ、実際に見てもらった方が早いな」と思っても、食事をしながらでは、思うようにいかないことも多いです。
結局、そのままタイミングを逃してしまい「後でメールしますね」「またご飯いきましょう」と言って別れたものの、連絡が途絶えてしまう残念なパターンも少なくありません。
⑤ テーブルマナーで印象を損ねるリスクがある
食事付き交流会では、ビジネスマナーとは別に「食事マナー」も気にしないといけません。箸の持ち方、食べるスピード、音を立てないなどのテーブルマナーの出来不出来によって、相手の印象が左右されることがあります。
食事が伴うことで、食べこぼしや手の汚れ、口元の拭き忘れなど、清潔感を損なう要素も増えます。本来のビジネススキルとは無関係なところで、マイナスの印象を与えてしまうリスクがあることを理解しておきましょう。
飲食ありのランチ会・カフェ会の活用シーン
ランチ会やカフェ会などの食事付き交流会は、先述のような懸念点もありますが、目的によっては有効な選択肢にもなりえます。ちょっとした気晴らしや、雑談の練習などのカジュアルな目的には役立つでしょう。
初めての交流会で雰囲気を知りたいとき
ビジネス交流会が初めての人や、まずは気軽に参加してみたいという場合は、食事付きの交流会も選択肢に入ります。最初から成果を求めるのではなく、人脈作りの感覚をつかむ入門編としてなら、和やかな雰囲気の食事付き交流会も有効な選択肢だと言えます。
関係構築や人脈作りが主な目的のとき
具体的な案件獲得よりも、人脈づくりを目的として参加する場合は、食事付き交流会も有効です。保険や不動産などの信頼関係が重視される業種では、いきなり商談を持ちかけても警戒されるだけです。ひとまず「話せて楽しかった」「また会いたい」と思ってもらうことだけを成果地点に置くなら、食事付き交流会が役立ちます。
既存の関係性を深めたいとき
すでに面識がある人との関係をさらに深めたい場合は、食事付きの懇親会や親睦会が適しています。社内の他部署メンバーとのシャッフルランチや、以前に名刺交換した相手との再会の場で、親睦を深める用途であれば食事付きの会も有効です。
まとめ
ビジネス目的で異業種交流会に参加するなら「食事」は必須ではありません。むしろ、効率的に成果を出したい、具体的な案件につなげたいという目的なら、食事なしの交流会の方が適しています。
【目的別】異業種交流会の選び方 ‐ 飲食ありor飲食なし
| 交流会への主な参加目的 | おすすめの形式 |
|---|---|
| 短時間で効率的に人脈を広げたい | 飲食なし |
| 案件獲得に向けた関係構築がしたい | 飲食なし |
| 自分のビジネスや活動を認知してもらいたい | 飲食なし |
| 副業・パラレルワークの可能性を探したい | 飲食なし |
| 初めての交流会参加で雰囲気だけ楽しみたい | どちらでもOK |
| 長期的な関係構築、人脈形成を進めたい | どちらでもOK |
| 雑談を通じて他業界から新しい視点を得たい | どちらでもOK |
食事付き交流会には、会話が途切れやすい、資料共有がしにくい、集中しづらいといった懸念点があります。一方で、リラックスした雰囲気で親密になりやすいという特徴もあり、目的次第では有効な選択肢になります。
交流会を選ぶ際は、あらかじめ目的を明確にしてから判断すると良いでしょう。
