起業仲間の集め方 ‐ 探し方のコツと失敗しないポイント
これから起業する方や、起業して間もない方向けに、起業仲間の探し方や付き合い方をわかりやすくまとめました。 記事の後半では、仲間探しでの失敗例と対策、共同創業をする場合に決めておくべき条件なども紹介します。
起業に仲間は必要か? 一人起業との違い

起業は一人でも可能ですが、頼れる仲間がいるに越したことはありません。ただ、ひと口に「仲間」と言っても、共同創業者のようにリスクを共有する相手から、気軽な壁打ち相手まで、関わり方はさまざまです。
起業仲間にはどんなタイプがある? 4つのタイプに大別
| 共同創業者 | 技術部門の責任者である共同創業者(CTO) 資金集めを担当するビジネスパートナー |
|---|---|
| 実務パートナー | 開発を請け負うフリーランスエンジニア 経理・法務を任せる外部メンバー |
| メンター・アドバイザー | 業界に詳しい専門家 顧問契約のコンサルタント |
| 壁打ち相手 | コミュニティの仲間 同期の経営者 |
この4タイプはきっちり分かれるものではなく、実際には多少重なり合うこともあります。たとえば、壁打ち相手だった人が実務パートナーになったり、メンターから共同創業者を紹介されたりということも珍しくありません。
起業は一人でもできますし、実際に一人で事業を軌道に乗せている起業家もたくさんいます。無理に仲間を探す必要はありません。仲間が必要だと感じたときに、自分の事業に合った関わり方を選べばOKです。
起業仲間を集めるメリット
| スキルの幅が広がる | 自分にないスキルを持つ相手がいれば、一人では踏み出せなかった事業領域にも手が届きやすい |
|---|---|
| 視野が広がる | 別の視点からフィードバックをもらえるので、思い込みや見落としに気づきやすい |
| 精神的な支えになる | 一人起業とは異なり、壁にぶつかったときに精神的にも支え合える |
| 資金・信用面で有利になる | 共同創業なら用意できる資金が多くなりやすく、投資家からの信頼も得やすい傾向がある |
ビジネスの立ち上げ期に相性の良い相手と組めれば、上記のようなメリットが期待できます。とはいえ、誰でもよいというわけではないので、自分の事業に合った相手や関わり方を選ぶことが大切です。
一人で起業しても問題ないケース(一例)

- 自分のスキルがそのまま商品になる(コンサル、デザイン、ライティングなど)
- 意思決定のスピードや自由度を最優先にしたい
- 事業規模を急いで拡大する必要がない
上記のような場合は、一人で始めたほうがむしろ動きやすいケースもあります。最初はひとりビジネスとして起業し、少しずつ人脈を広げながら、仲間が必要になったタイミングで改めて探し始めても遅くはありません。
注意したいのは、一人では不安だからという理由だけで仲間を探すパターンです。不安の解消が目的なら、起業家コミュニティに参加したりメンターに相談したりするだけでも十分なことが多いです。
起業仲間の見つけ方 ‐ 3つのアプローチ

起業仲間の探し方を、ざっくり3つのアプローチに分けて紹介します。それぞれどんな人に向いているか解説していきますので、良さそうなものから着手してみてください。もちろん複数のものに並行して取り組んでもOKです。
| ① ゆるくつながる | ・ビジネス交流会、異業種交流会 ・起業家コミュニティ ・コワーキングスペース |
|---|---|
| ② 条件を決めて探す | ・知人や取引先からの紹介 ・マッチングアプリ(Yentaなど) ・ビジネス向けSNS(LinkedInなど) |
| ③ 一緒に働いてから決める | ・クラウドソーシング ・知人や取引先からの紹介 ・SNSでの発信(Facebook、Xなど) |
① ゆるくつながる ‐ 交流会・コミュニティ・コワーキング

「いきなり共同創業者を探すのはちょっと……」という方には、まずは気軽に話せる相手を増やすところから始めるのがおすすめです。低リスクでトライでき、思わぬ好条件の相手が見つかる可能性もある点で、コストパフォーマンスのよい方法だと言えます。
| ビジネス交流会 | 起業に関心のある人と直接話せる。通いやすい |
|---|---|
| 起業家コミュニティ | 同じ志を持つメンバーと継続的に交流できる |
| コワーキングスペース | 日常的に起業家やフリーランスと顔を合わせられる |
オンラインでSNSなどを活用してつながる方法もありますが、一定の発信力や影響力を持てていることが前提になります。まずはオフラインで気軽に顔を合わせられる場のほうが、仲間探しの難易度は低いと言えます。
Doomoでは東京・大阪を中心にさまざまなビジネス交流会を開催しています。9割以上の方がお一人で参加されているので、初参加でも気軽に足を運べます。
② 条件を決めて探す ‐ マッチングサービス・紹介

自分に足りないスキルや、求める人物像がはっきりしている場合は、条件を絞って探すと効率的です。知人からの紹介やマッチングサービスを使えば、プロフィールや経歴を事前に確認できるので、相性の良い相手と出会いやすくなります。
- 知人・取引先からの紹介
- マッチングアプリ(Yentaなど)
- ビジネス向けSNS(LinkedInなど)
上記のほか、起業家向けのアクセラレータープログラムに参加するのも手です。これはベンチャーキャピタルや事業会社がスタートアップを短期集中で支援する仕組みで、カリキュラムを通じて仲間を見つけられる場合もあります。
③ 一緒に働いてから決める ‐ 業務委託からの段階的アプローチ

まず業務委託やプロジェクト単位で一緒に働いてみて、段階的に関わりを強めるアプローチもあります。実際に仕事をしてみないとわからない部分は多いので、このような方法を取ることでリスクを抑えられます。
- クラウドソーシング(クラウドワークスなど)
- 知人・取引先からの紹介
- SNSでの発信(Facebook、Xなど)
クラウドソーシングでは、実績や評価を見て発注できるため、合う人がいれば継続的なパートナーに発展させやすいというメリットがあります。また、SNSで自分のビジョンや事業内容を発信しておくと、それに共感した人から声がかかることがあります。
仲間探しで失敗する3つのパターンと回避策

仲間との共同創業でトラブルになりやすいのは、お互いの価値観や役割を十分にすり合わせないまま一緒に起業してしまうパターンです。後から関係が壊れたり、トラブルに発展したりする恐れがあります。
【失敗パターン①】友情ベースで組んでしまう

友人とは気心が知れているぶん話が早く、一緒に起業するイメージも湧きやすいです。ただ、役割や報酬があいまいになりがちな点は要注意です。仕事の不満やお金の話をなかなか切り出せず、小さなストレスが積み重なって大きなトラブルにつながることもあります。
友人と組む場合こそ、最初に役割分担・報酬・意思決定のルールを書面にしておくのがおすすめです。関係が良好なうちに決めておくほうが、お互いに気持ちよく進められます。
【失敗パターン②】スキルだけを見てビジョンのずれを見落とす

自分にないスキルを持つ相手が見つかると、一気に事業が前に進む気がして声をかけたくなるものです。しかし、スキルだけで決めてしまうと、事業の方向性や資金の使い方で後から揉めることもあります。
スキルは外注でもカバーできますが、目指す方向がずれたまま走り続けるのは難しいです。なぜこの事業をやるのか、3年後にどうなっていたいかなど、しっかり確認しておきましょう。
【失敗パターン③】焦って決めてしまう

早く事業を始めたいという焦りから、十分に相手を知る前に共同創業を進めてしまうのも、よくある失敗パターンの一つです。初対面の印象が良くても、数回会っただけでは、プレッシャーがかかったときにどう動く人なのかまでは見えません。
対策としては、本契約の前に、副業レベルの小さなプロジェクトや短期の協業を挟むという方法もあります。2〜3か月ほど一緒に動いてみると、仕事の進め方やストレス耐性、コミュニケーションの癖など、さまざまな部分が見えてきます。
「縁がなかった相手」もつながりとして残す

起業仲間を探す過程で、すぐにチームを組むまでには至らない相手にも出会います。ただ、その時は縁がなくても、起業家同士のつながりは思わぬところで活きることもあります。関係を完全に切ってしまうのはもったいないです。
- 別の候補者を紹介してくれることがある
- 後から状況が変わって協業の機会が生まれることがある
- 起業家同士の情報交換相手として長く役に立つ
「今回は合わなかったけれど、お互いの事業がうまくいくといいですね」程度の距離感でつながりを保っておくと、仲間探しの幅が自然と広がっていきます。無理に関係を深める必要はなく、SNSでゆるくつながっておくだけでも十分でしょう。
共同創業の取り決めチェックリスト

仲間と一緒に起業するなら、お金や役割について早めに話し合っておくとトラブルを避けやすいです。以下のような項目を、関係が良好なうちに確認しておくのがおすすめです。
▢ 意思決定のルール ── 意見が割れたとき、最終決定権は誰が持つか
▢ 報酬と利益配分 ── 売上が出るまでの報酬はどうするか、利益をどう分けるか
▢ 経費の負担方法 ── 個人の立替はどう精算するか、経費の承認フロー
▢ 撤退条件 ── どちらかが抜けたいとき、持分や引き継ぎをどう処理するか
▢ 競業避止と秘密保持 ── 退いた後に同じ領域で起業してよいか、情報管理のルール
▢ 出資比率と株式の持分割合 ── 誰がいくら出すか、持分をどう分けるか
▢ 定期的な振り返りの場 ── 月次や四半期ごとに方向性を確認する仕組み
すべてを正式な契約書にする必要はありませんが、簡易的なものでも文書に残しておくと「言った・言わない」のトラブルを防げます。事業が軌道に乗ってきたら、株主間契約として正式な書面にまとめておくと安心です。
まとめ

起業仲間の探し方にはいろいろなやり方がありますが、迷ったときは「自分の事業に今何が足りないか」から整理してみるのがおすすめです。その整理ができていれば、交流の場でもピンとくる相手に出会いやすくなります。
起業仲間の集め方 ‐ 3つのアプローチ
| ゆるくつながりたい | 交流会やコミュニティで壁打ち相手を見つける |
|---|---|
| 条件を決めて探したい | マッチングサービスや紹介で見つける |
| 一緒に働いてから決めたい | 業務委託から始めて相性を確かめ、段階的に巻き込む |
上記の3つのアプローチは、もちろん組み合わせてもOKです。たとえば、交流会で知り合った相手に小さな仕事を依頼してみて、相性が良ければ本格的に組むといった流れは珍しくありません。
また、仲間と本格的に組むことになったら、お金や役割についても早めに話し合っておくと安心です。万が一うまくいかなくなったときでも、きちんとした取り決めがあれば大きなトラブルになりにくいです。